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ご本尊千手観音

ご本尊千手観音
2028年ご本尊 秘仏 十一面千手観音菩薩 ご開扉

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ご本尊 千手観音さまの縁起

「西大寺古本縁起絵巻」より
(岡山県指定重要文化財)

ご本尊千手観音イメージ1
 今から遠く一千二百年ほどの昔、周防の国、玖我の庄に藤原皆足姫という女性が住んでいました。姫はことに観音信仰に篤く、持仏堂に千手観音を安置し、自ら念持仏として崇めることを願いとしておりましたが、何分、千二百年も昔のことで、仏像を造る仏師にも巡り合えずに、いたずらに日を過ごしておりました。
 ある日、紅顔の仏師が一夜の宿を求めて参りました。姫は長年の願いが叶えられるのはこの時とばかり、用意していた香木を持ち出し、観音菩薩の彫刻を依頼致しました。仏師は「仏像が完成するまで決して見に来てはならない」と言って、一室に閉じこもって彫刻を始めました。
 ある日、姫が部屋の前を通りかかると、話声が聞こえますので、不思議に思って部屋を覗き見しますと、それは観音像と仏師の問答でした。 姫が約束を違えた事を怒った仏師は戸外に走り出ようとしました。
ご本尊千手観音イメージ2
ご本尊千手観音イメージ3
 それを姫はおしとどめ「御身はいずこの人か」と尋ねますと、仏師は「我には名も無く、生まれたところも無い、ただ大和の長谷が仮の住まいである」と答えて、掻き消すように姿が消えてしまいました。
大和の長谷と言えば、古くから観音霊場のメッカとして知られておりましたので、姫は、さては、あの仏師は長谷観音の化身であったかと覚り、お礼参りと、飾り付けをするため、観音像を舟に積んで、現在の奈良県の長谷に向かって船出しました。
ご本尊千手観音イメージ4
ご本尊千手観音イメージ5
途中、皆足姫の夫、藤原泰明は、備前の守護職をしておりましたので、仏像を積んだまま吉井川に舟をつなぎ、夫のもとに参りました。
数日逗留の後、再び舟を出そうとしましたが、どうした事か舟は微動だにしません。それは何十人何百人もの力を借りても同じことでした。
そこで観音像を舟から降ろすと、楽々と舟は岸を離れましたので、姫は、この地に留まることが観音のおぼしめしと、やむなく小さなお堂を建て、そこに仏像を安置(現在の西大寺金岡)して、自らは長谷寺に参詣して帰郷したという事です。
ご本尊千手観音イメージ6
ご本尊千手観音イメージ7
 その後、安隆上人が観音さまを現在この地へ移し、やがて西大寺として発展を遂げる事となりました。
西大寺建立縁起